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当職が担当したコロナ経営難を理由とするバス運転手の整理解雇を無効とした仮処分決定が報道されました。

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当職が担当したコロナ経営難を理由とするバス運転手の整理解雇を無効とする仮処分決定(福岡地決令和3年3月9日)が多くの報道機関において報道されました。

●朝日新聞 コロナ禍での解雇「無効」 バス会社に賃金支払い命じる [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル (asahi.com)

●西日本新聞 コロナ経営難で解雇「相当性欠き無効」 福岡地裁が仮処分決定|【西日本新聞ニュース】 (nishinippon.co.jp)

●毎日新聞 コロナで業績悪化の解雇「無効」 福岡地裁、賃金支払い命令 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

●FBS 「コロナ解雇」に無効の決定 その背景は… (fbs.co.jp)

 

この事件では、会社はコロナ禍により、月2000~3500万円の売り上げがありましたが、中国や韓国からの観光客が激減したため、令和2年3月は約399万円、4月は約87万円、5月にはゼロに落ち込みました。同年3月に依頼者は整理解雇されました。

 

整理解雇は、①人員を削減する必要があるか、②解雇を回避する努力をしたか、③解雇対象者の人選は合理的か、④事前の説明や協議を尽くしたか、の4つの要素からその有効性が判断されます。

 

本件では、明らかな収入激減が認められましたので、人員削減の必要性(①)は認められました。しかし、希望退職者を募るという解雇回避努力が行われていないこと(②)、観光バスから高速バスに事業内容を変更するにあたり依頼者が高速バス事業に手を上げなかったことをもって解雇対象者とするのは合理的でないこと(③)、削減しなければならない人数や解雇対象者とする基準の内容は説明されず、解雇対象者から意見聴取も行われていないこと(④)をもって、整理解雇を無効としました。

 

厚生労働省によれば、コロナ禍に起因する解雇や雇い止め(見込みを含む)の人数は、累計10万人を超えたとのことですが、解雇無効の仮処分決定が出されたのは、当職が把握している限り、センバ流通(仮処分)事件仙台地決令2年8月21日労働判例1236号63頁事件と本件のみです。

「コロナ解雇」に無効の決定 その背景は… (fbs.co.jp)より引用。2分53秒部分】

司法の場にて争われれば、解雇無効の判断が多く出たのではないかと考えられます。

雇用主の方には、解雇を検討するにあたり、本当に解雇まで必要なのかをしっかり検討していただき、その検討内容を労働者に説明していただきたいと思います。

労働者の方には、少しでも疑問があれば、一度、弁護士にご相談いただければと思います。本件のように会社の経営が厳しいからといってそれだけで解雇が有効になるわけではありません。少しでも、皆様の生活が安定したものになるようにサポートしていきたいと考えております。

幸せな生活を取り戻しましょう