【担当事件】トラック運転手の残業代と解雇無効後の賃金で合計1000万円を超える金額を回収した事例
残業代
1.この事例の特徴
① 解雇がされたが、裁判所から解雇無効の心証が示された事例
② トラック運転手に支払われた出来高手当が出来高払制(労基則19条1項6号)の適用を受けず、残業代が通常の賃金の125%とすべきと裁判所から心証が示された事例
③ 残業代があるゆえにその分も含めて解雇後の賃金が支払われるべきであると主張した事例
2.解雇無効
解雇する際の手続きに問題があると主張して解雇の有効性を争いました。その結果、解雇無効の心証が得られました。
3.残業代の出来高払制に非該当
出来高払制に該当すると残業代は25%しか支払われません。他方で、これに該当しなければ125%の残業代が支払われます。支払われた出来高手当は、労働者の能力によって金額が変更されるものではないため出来高払制にあたらないと主張しました。その結果、出来高払制にあたらないという心証が裁判所から示されました。
4.残業代を含めて解雇後の賃金を計算する
例えば、月30万円もらっていた人が解雇され、解雇が無効になると、原則として、解雇後は毎月30万円の支払いが命じられます。もっとも、解雇前、月10万円分の残業を恒常的にしていたということになれば、解雇後の毎月支払われる賃金は40万円(30万円+10万円)になります。
解雇事件の場合、解雇の有効性のみに目がいきがちですが、残業代の立証も大切です。