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【労災】精神障害の労災認定基準 項目13「2週間以上にわたって休日のない連続勤務を行った」の意義を説明します。

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1 はじめに


 【労災】精神障害の労災認定基準の基本を説明します。 (fukuoka-roudou.com)の記事にて、精神障害の労災認定基準の基本をご説明し、【労災】精神障害の労災認定基準のうち重要な時間外労働時間について説明します。 (fukuoka-roudou.com)にて時間外労働時間のことについてご説明しました。

 この記事では、精神障害の労災認定基準 項目13「2週間以上にわたって休日のない連続勤務」の意義を説明します。

 時間外労働だけでは、心理的負荷が「強」にならない場合、注目すべき評価項目であると考えられます。

 

2 項目の内容


 精神障害の労災認定基準 項目13「2週間以上にわたって休日のない連続勤務を行った」の項の心理的負荷が「中」と「強」は以下のとおり説明されています。

 平日の時間外労働だけではこなせない業務量がある、休日に対応しなければならない業務が生じた等の事情により、2週間以上にわたって連続勤務を行った(1日当たりの労働時間が特に短い場合を除く)場合は、心理的負荷は「中」です。

 これに対し、 「1か月以上にわたって連続勤務を行った」、「2週間以上にわたって連続勤務を行い、その間、連日、深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行った」(いずれも、1日当たりの労働時間が特に短い場合を除く)場合には心理的負荷は「強」になるとされています。

 

3 注意点


 ⑴ 「2週間」は「12日」を指すものといえること

 まず、精神障害の労災認定実務要領(令和5年11月付)13頁には、「週休2日を想定して、ある月曜日から翌週金曜日まで連続して(12日間続けて) 勤務した場合には、原則として『2 週間以上にわたって休日のない連続勤務を行った』と評価できると考えられる。」と記載されており、「2週間」とは「12日」を指すものといえます。14日連続勤務である必要がないことに注意が必要です。

 ⑵ 通常の労働密度が求められること

 精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会報告書(令和5年7月付)27頁には、「休憩時間は少ないが手待ち時間が多い場合等、労働密度が特に低い場合を除くものであり、また、その業務内容が通常その程度の労働時間(労働日数)を要するものである場合を想定したものである。」と記載されています。労働密度が特に低い日が連続しても、この評価項目では評価されないことになります。

 ⑶ 他の項目でも評価されること

 精神障害の労災認定実務要領(令和5年11月付)13頁では、「2 週間以上にわたって休日のない連続勤務を行った結果、当該期間を含む1 か月当たりの時間外労働時間数が、前月から大きく増加した場合は、本項目のほか『仕事内容一仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった(項目11 )』でも評価する。また、2週間以上にわたって休日のない連続勤務を行った結果、仕事量の変化が『大きな変化』とまではいえないが、当該期間を含む1 か月におおむね80時間以上の時間外労働を行った場合には、『1 か月に80時間以上の時間外労働を行つた(項目12) 』でも評価する。」と記載されています。連続勤務は他の項目で評価される場合があります。

 ⑷ 1日当たりの労働時間が特に短い場合は除かれること

 1日当たりの労働時間が特に短い場合は、連続勤務としては評価されないことになります。「労働時間が特に短い場合」の意義については、精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会報告書(令和5年7月付)にも精神障害の労災認定実務要領(令和5年11月付)にも記載が見当たらず、明確な定義はされていないようです。

 

5 まとめ


 精神障害の労災認定基準では、長時間労働によって認定を得ようとしても、求められる時間外労働時間が長いことから認定がされない可能性があります。

 12日連続勤務(深夜時間帯に及び、かつ、1日当たりの労働時間が特に短い場合を除く)であれば、業種によっては、比較的ありうると考えられますので、この観点からの検討も必要でしょう。

幸せな生活を取り戻しましょう