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【労働組合】労働委員会での救済が受けられる労働組合の結成方法は?

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1 はじめに


 労働組合を作りたいけれど、具体的にどのように結成したらいいのかわからないという方がいらっしゃるかもしれません。この記事では、労働組合結成から団体交渉までの基本的な流れを解説します。

 

 また、労働組合の活動等を理由として組合員に解雇などの不利益取扱いがされた場合、労働委員会に不当労働行為救済命令の申立てができるのですが、それができるためには組合規約に一定の記載が求められます。その要件について解説します。

 

2 結成から団体交渉まで


 労働組合結成までの流れは以下のとおりです(愛知県のウェブページ(293964.pdf (pref.aichi.jp))より引用)。なお、そもそも、労働組合とは何か?については、【労働組合】労働組合とは何?(労働組合の基本的枠組みについて) (fukuoka-roudou.com)をご参照ください。

 組合員集めが必要ですが、組合員が集まったとして、手続きとしてしないといけないことは、①組合規約の作成、②運営のための組織(意思決定機関、執行機関、役員)財政(予算)の決定、③要求書の作成、④労働組合結成通知の作成です。

 このうち、③要求書と④労働組合結成通知のイメージは以下のとおりです(こちらも上述した愛知県ほウェブページより引用)。

③要求書 

団体交渉申入書と兼ねることもあります。

 

④労働組合結成通知書 

組合の執行部のメンバーの名前を記載します。必ずしも組合員全員の名前を載せる必要はありません。

 

2 法律の要請を充たす組合規約


 裁判と比べて簡易迅速な労働委員会での救済を受けるには、労働組合法5条2項の要件を充たす規約が必要です。具体的には、以下の①~⑨のとおりです。(分かりやすく記載したため少し正確性に劣ります。)

① 名称(1号)

② 主たる事務所の所在地(2号)

③ 組合員が組合の全ての問題に関わることができ、かつ、平等の権利があること(3号)

④ 人種、宗教、差別、門地又は身分によって組合員資格を奪われないこと(4号)

⑤ 役員(執行機関だけでなく会計機関も含む)が組合員の直接無記名投票により選挙されること(5号)

⑥ 総会を少なくとも毎年1回開催すること(6号)

⑦ 会計報告有資格の会計監査人により正確と証され少なくとも年1回組合員に公表されること(7号)

⑧ ストライキ組合員の直接無記名投票の総投票数の過半数により決めないと開始しないこと(8号)

⑨ 規約改正組合員の直接無記名投票により組合員の過半数の支持がなければ改正しなこと(9号)

 

以上が規約に記載されていれば資格審査としては足り、実際に守られているかは問われません。特に、⑦は、小規模の組合には事実上難しいです。⑦の監査が実際にされていなくても、労働委員会の申し立ては認められると聞いています。

 

3 団体交渉へ


 以上の手続きが整えば、団体交渉を申し入れます。

 要求書は、組合結成大会で決められた組合の基本的な要求事項をまとめたものになります。例えば、「パワーハラスメント防止措置の徹底化」などと記載することが考えられます。

 団体交渉申入書は、要求書記載の要求事項を具体化した内容を記載します。例えば、「労働者A氏がB氏からパワハラを受けたと申告された件について聞き取りをし、その結果を適正に報告すること」などと記載することが考えられます。

 なお、会社が団体交渉に応じる義務がある義務的団交事項は「組合員の労働条件その他の待遇や団体的労使関係の運営に関する事項であって,使用者に処分可能なもの」とされています。

 団体交渉において交渉事項が妥結したら労働協約書を作成します。

 

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