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【トラックドライバーの労働時間】働く時間が長くてきつい・・・何ができる?

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1 はじめに


 トラックドライバー(運転手)の方から、「働く時間が長くてきつい」「休む時間が短くてきつい」という相談が多くあります。長時間労働で疲弊しないようにするためにはどうしたらいいのでしょうか。

 トラックドライバーの労働時間に関わるルールとして知っておいて欲しいものとして、①新改善基準告示、②36協定の上限規制、③労災認定基準、④36協定の4つが大きく考えられます。

 今回は、①と②の大枠と、④の重要性について説明したいと思います。

 

2 新改善基準告示とは?


 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準を、一般的に「改善基準告示」と呼びますが、令和6年4月から適応された見直し後の改善基準告示を「新改善基準告示」と読んで説明します。

 ①新改善基準告示の特徴は、労働時間の規制ではなく、主に、拘束時間と休息時間に関する規制であるということです。他方で、②36協定の上限規制、③労災認定基準、④36協定は労働時間についての規制ということで違いがあります。

 新改善基準告示では、拘束時間と休息時間の原則を以下のとおり制限しています。

 1日の拘束時間が16時間であれば、月に17.8日働くと284時間となり、19.4日働くと310時間となります。

 新改善基準告示には様々な例外がありますが、基本的には、このくらいの拘束時間があると違反の可能性があると思ってもらってよいかと思います。

新改善基準告示違反があれば、下記の表の処分基準に従って車両停止処分がされることとなります。そうなると使用者は困るので、この基準を守ろうとするわけです。

 

3 36協定の上限規制とは?


 会社は、あなたが働いている事業場の労働者の過半数の同意(※正確には過半数で組織する労働組合または労働者の過半数の代表者の同意)がなければ、残業を適法に命じることはできません(労働基準法36条に定められているので「36協定」といいます。)

 現在、ほとんどの労働者との関係で36協定の締結で許容される残業の上限時間は、ある程度明確に決まっています。

 しかし、トラックドライバーは例外で、年間960時間以下の残業(※これには休日労働は含まれない)を適法に命じられてしまいます。(※残業とは、1日8時間、または、週40時間を超える労働時間のことです。

 そのため、例えば、繁忙期に150時間の残業をさせることも理論上可能です。

 もっとも、年間960時間以下しか残業を命じることができませんから、恒常的に月80時間を超える時間外労働を命じることはできないのです。

 週5勤であれば1日11.5時間強週6勤であれば、1日10時間相当の時間外労働があれば、恒常的に月80時間を超える時間外労働ということになります。

 

4 36協定の重要性


 3で説明したとおり、会社は、あなたが働いている事業場の労働者の過半数の同意(※正確には過半数で組織する労働組合または労働者の過半数の代表者の同意)がなければ、残業を適法に命じることはできません。

 つまり、この36協定において、ひと月に可能な残業時間を、例えば60時間と設定していれば、それを超えて残業が命じられることはありません。

 労働者はみんなで協力することで、長時間労働で疲弊しない環境を獲得できるのです!!

36協定により定めた時間を超えて労働をさせられた場合には、刑事罰の対象となります。そのため、36協定で定めた時間は守られる可能性がとても高いといえます。

 

5 まとめ


 働く時間(労働時間、拘束時間、休息時間)に関するルールは多くあるので、まずはそれを知って欲しいです。とりわけ、36協定は、みなさんの健康を守るために重要ですし、労働者の意思によって決めることができます。36協定のことをしっかり頭に入れておいて欲しいと思います。

 

幸せな生活を取り戻しましょう